これのためだけにわざわざNetflixに加入した一月です。
タイトルはMurder Most Foul ならぬVengeance Most Fowlということで大いなるニワトリの復讐とでも訳せばいいんでしょうか。ニワトリ!? 確かにこのシリーズ、過去にニワトリがいたような……おや、誰かが来たみたいですね……
あらすじ
発明家ウォレスと忠犬グルミットの暮らす家の中は、ウォレスの発明品でいっぱい。自動で朝の支度をしてくれる機械やお茶を淹れてくれる機械などに囲まれた暮らしはとても快適かと思いきや、絶妙に使い勝手が悪くグルミットが手動で調整しているという微妙なもの。しかしそんなことには露ほども気づいていないウォレスは自分の発明に自信満々。「技術は便利で素晴らしい」と言いますが、グルミットの頭を撫でてやるのにも機械を導入したことなどがグルミットの不興を買います。
しかし「グルミットとの生活をより良いものにしたい!」という気持ちに燃えるウォレスは、さらに色んなものを発明するという悲しいすれ違いが……。
二人の間にそんなすれ違いが起きる中、庭の手入れを手伝うロボットとして導入した「ノーボット」のプログラムが何者かによって操作され、良きお手伝いロボットは突如として冷酷無慈悲な極悪ロボットとなり大暴走を開始。町中が大混乱に陥り、ウォレスは逮捕される寸前まで陥ります。一方その頃二人に対する復讐に燃える赤いトサカは、動物園での奉仕活動に従事しながら着実に歩を進めていくのでした……。
最先端 vs アナログ
機械は便利でいいね〜っていうウォレスと、アナログも愛するグルミットの生活は対象的です。着替えから食事からあらゆる場面に技術を導入するウォレスと、紙の本を読みラジオで(ラジオがアナログかどうかはアレですが)音楽を聞くグルミット。今やお茶も機械が入れてくれるので、かつて愛用したティーポットが戸棚の上で埃をかぶっているのを悲しそうに見ているのがなんとも寂しい感じです。
機械やAIによって生活が便利で豊かになるのはいいけれど、なにか「便利さと引き換えに失ったもの」があるような。自分の手で地道に行うこと、そういうことにも意味があるんじゃないか。二人のスタイルの違いはそんな疑問を浮かび上がらせてきます。今や現実にもアナログ回帰は一種のトレンドのようになっていますが、ウォレスとグルミットで扱うテーマとしては確かにぴったりですね。
AIを駆使する復讐者、潜水艦、アナログ、あれ……?
いや、あの〜〜〜〜〜これ全体的にめちゃくちゃ「ミッション・インポッシブル:デッドレコニングPART1」で見たやつなんですよね……。AIの暴走もまあそうですが、悪いノーボットがウォレスの声を真似てグルミットを誘き寄せるのとか声出して笑っちゃった。U.R.DONEをやるな。
それにペンギンの役どころは完全にガブリエルくんなので、もうガブリエルくんにしか見えません。M:Iファンとしては五月公開予定の最終章・ファイナルレコニングを冷や汗かきながら待っている状況なのですが、これガブリエルくんが出てきた途端に劇場で笑ってしまうかもしれない。そんなことで笑いたくないんだが……!?
不審に思いつつも後半中頃までは「ま、まあ、似たテーマだしね……」と自分に言い聞かせながら見ていたのですが、もう最後の最後は本当に全部100%デッドレコニングだったのでとにかくひたすら笑ってました。そこまでやるか?っていう……。「ウォレスとグルミット」を見ていて「デッドレコニングでやったやつだ!!(予習完璧)」はどう考えてもおかしいだろ。本当に何を考えてこの映画は制作されてしまった(取り返しのつかない事態扱い)んでしょうか……。
ブラボー・エコー・ワンワン(犬)を目撃しよう!
とにかくグルミットがかっこよかったですね!数々のアクションに知略、まさにイーサン・ハントくんばりの活躍です。「ひつじのショーン」の牧場主さんもチラリと出演があったり、最後までずっと楽しい映画でした。なんにせよ新作!ありがたい〜〜!!